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"予防する医学"の道目指す「和」の精神で人生楽しく

 

 

人を迎え入れる柔和さあふれる人だ。語り口も柔らかい。「健康のために」と、東京大学入学後に始めた空手の腕前が三段と聞いてびっくりしてしまう。「人間 ドック」という日本独自のコンセプトを在米法人のために米国で実施しつつ、年間30人もの日本人医師の受け入れ先を開拓、後進の教育と、日米医学界の交流 に明け暮れる毎日だ。

医療技術で治療できるがん、「早期がん」のコンセプトは日本で生まれたもので、米国は驚くことに、いまだになじみの薄いものであるいう。死因第1位が「心臓病」という米国と、「胃がん」が死因第1位の日本とでは、おのずと進歩する分野と立ち遅れる分野が決まってくるためだ。

「いくら医療技術が進歩しても末期がんまで発見されなかったら、治療の施しようがないでしょう。個人が自覚を持ち定期的に健康診断を受けることで、がんだけでなく様々な病気の早期発見に努めるという "予防する医学" がこれからの医学の目指すべき方向ではないでしょうか」

がん告知に関しては、「告知をするべきだという意見がマスコミで盛んに叫ばれていますが、ケース·バイ·ケースです。例えば早期がんで治療可能なら、あえて患者を動揺させる必要はないでしょうし、本当に難しいです」

日本の国立がんセンター勤務時代、がんと名の付く病院にいながらも、「自分はがんではない」と信じる精神力で治療に励む患者の姿に、人間の持つ生命力の一端を見た思いがしたという経験がある。

「医者は冷たくてはなれませんよ。人間に興味がないと務まりません」

祖父の代からの医者家系。小さいころなりたかったのは「飛行機乗りか、船乗り」だったが、視力が悪かったのと、中学時代に生物学に興味がわいたことで自然に医学の道をまい進し続けている。今年60歳を迎えるがまだまだすることが山のようにあって困る、と苦笑する。

シリアスになれないタイプと自分を評し、泣きたくなる映画はわざわざ見に出かけない主義。「の精神で、なるべく楽しく人生をーー」がモットーで、もちろん、「楽しく生きるには、健康でないとね」と付け加えることを忘れない。

そしてもう一つの座右の銘である空手の師匠の言葉は、「突きで一発、あとはリラックス」。これこそまさに現代人が本当に必要とする「生き方の手本」だろう。

渡邊美賀 記者

Yomiuri America 新聞 (平成11年)423