脂肪肝は以前より、アルコールによるアルコール脂肪肝が問題視されていました。このアルコール性脂肪肝が高じると、肝硬変になり、腹水、肝性脳症、食道静脈瘤破裂などを引き起こし、取返しがつかない事態に至ります。
長い間、肥満に伴う脂肪肝は良性の変化をたどると言われていましたが、近年、肥満による脂肪肝もアルコール性脂肪肝と同様の経過をたどると言われ出しました。
最近の消化器関連の論文に肥満による脂肪肝で肝臓の線維化がなくともその一部の人が肝がんになったと発表されています。(Clin Gastroent and Hepatol 2015;14: 125-131) 昨今日本でも、肥満による健康障害が問題となっています。その中で内臓の脂肪沈着が憂慮されています。 内臓脂肪沈着症の代表的な変化が脂肪肝です。脂肪肝を気軽に考えている人が多いようですが、脂肪肝もしっかり治していかなければならないと思われます。